2013.09.03 菅氏ら不起訴
菅氏不起訴ですね。
菅氏大嫌いの私ですが、かといって彼を刑事罰で裁くなどするのは、オカシイと書きました。
柳田邦男氏による
菅氏の意思決定にかかわるm-SHEL(L)モデル分析(文藝春秋2012.12)
(※吉田元所長の判断失敗については2012.10でやっているようなので、ぜひチェックしてみたいです。)

SHEL(L)とは
http://www.jamt.or.jp/pickup/pickup18/risk_management/images/cas02_g_02.gif
(※真ん中のLが当事者です。)

その中味は
http://www.jamt.or.jp/pickup/pickup18/risk_management/images/cas02_g_03.gif

でも小文字の「m」がよくわかんないのよね・・・これは「その他」みたいな内容で、この図の周りを回っているように柳田氏は描いています。

柳田氏は、上の法則に従って、菅氏の立場、取り巻く状況、本人の言動を検証し、事故の起きた構造を明らかにしています。

例えば、菅氏が良く怒るということを政治評論家やメディアは批判したり揶揄したりしたが、なぜ怒るのかという背景分析は全くなされなかった。怒りの原因は、性格や個性もからむが、何の理由もなく怒ったのでもなかろう。

一国のリーダーが国民の生命を守るのに的確な判断を下すには、以下にあるような多くの要因がそろえられていなくてはならないことが明らかになってくる、ということです。

つまり例えば、菅氏が酷かったから被害が拡大した、ということも、確かにあるとは思うけれども、もし万能の人が首相だったとしても、自民党時代から構造的に問題があったのだから、結果はそれほど変わらなかったかもしれない。ということなのでしょう。

具体的に柳田氏の分析を写してみます。

S(ソフトウエア)

・過酷事故想定の訓練経験の有無
・過酷事故想定の官邸マニュアルの有無
・リスクコミュニケーションの定着度
・情報連絡における確認会話の定着
・その他

H(ハードウエア)

・オフサイトセンターの放射能防護対策
・災害時の移動手段、通信機能の完備

E(環境)

・未経験の複合災害という状況
・原発の危機的状況と全容把握の困難
・被災状況の深刻さと住民避難の混乱
・政界の非難、中傷
・マスメディアの攻勢

L① 人=菅氏

・本人の性格
・リーダーとしての資質、判断力、決断力
・技術的問題に対する理解力
・人間関係の構築力
・原因企業との関係の持ち方

L② 人=周辺

・官邸幹部(官房長官、副長官、首相補佐官など)
・経産大臣、保安院幹部
・原子力安全委員長
・東電派遣幹部
・専門アドバイザー



・原発をめぐる法体制(原災法)
・原発推進の歴史
・原発の安全体制の重要度
・原発の安全神話と行政の枠組み
・原発の安全行政の実態
・電力会社の安全対策
・原子力にかかわる専門家・学会の動向
・リアルな被害想定と避難体制の実態

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柳田氏の取材によると、海水注入についても、菅氏は中止を指示したのではなく、安全かどうかの確認をしてから指示ししようとし、結果的に指示の遅れになったと読み取れます。それを糾弾した安部首相は確かに間違っているでしょう。菅氏が訴えた気持ちもわかります。でも・・・・同情する人が少ないのは、やはり、本人が人を人とも思わない、罵倒、命令。。。という本人の性格によるのでしょうね。

そして、柳田氏は、こう書いています。

第二次大戦中に、日本の旧帝国陸海軍が重要な作戦の度に見せた組織的な失敗と相似形をなしているのは、この国の文化的遺伝子のなせる業なのか

さきの敗戦も、それを検証する機会をなかなか与えられず、国民は歴史に学ぶこともせず、「よかれと思って」戦争反対だけを唱えさせられてきたのではないんでしょうか。

反原発運動が拡大したり、責任を誰かに求めようとすることが先鋭化したりすることより、今回の事故(失敗)の真の原因を明らかすることを優先するのがよいと私は思います。

「原発反対こそが正解」という風潮は・・・原因云々なんかより、とにかく、それに手を染めなければ良いんだ・・というオメデタイ発想=柳田氏の言う「文化的遺伝子」を、またもや、次の世代に引き継ぐことにならないでしょうか。

しかし、告訴人は、今度は検察審議会に告訴するそうですね。そこでは市民が判断するのですね。これは非常に、よくないと思います。私は小沢氏も大嫌いですが、彼の事例の二の舞で、また膨大な徒労の時間と手間が割かれたあげく、結局は、プロの判断と同じになる気がしますね。
(だから。。。。私は市民にこういう司法判断させるなっていうのよ。。。素人なんだから)

で万が一、起訴となったら、例えば、菅氏みたいな人、・・・・量刑軽くするために、いかにも言い逃れして、真実究明を混乱させると思うよ。 いかにもそういう人間に見えます。そうだったのなら、事故究明を嘘にするという意味で、国家の損失でしょう・・・。

原因を探り、幾つもある真実を他方面から検証し、一つだけの事実を国民全員が共有し、再発防止に踏み込まなければ・・・・と思います。原発事故の再発防止だけではなく、非常事態に政府が機能せず、国民の生命が危機にさらされることのないように、という意味です。私たちは歴史に学ぶしかないと思います。
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