避難指示区域外から避難された人を
「自主避難者」と呼称することに抵抗を感じてきた私ですが
(過去記事はこちら

「区域外避難者」

「区域外避難者」と自称する方がおりましたので、私もそれに倣うことにしました。とは言っても、「がれき」も、そう言われると悲しくなる方がいらっしゃるので、なるべく「被災材」と呼ぶようにしてきたのですが、やはりあまりにも「がれき」という名詞のインパクトが強く、被災材のほうは浸透しませんでした。

だから「区域外避難者」も浸透しない可能性はあります。

でも、「そう言われたらイヤだ」と、当事者の方が思うのなら、それを使わない方がよいというものではありませんか。私が「フクシマ」と言われてイヤなので、ならせめて他人にもそういうことはしない、という私の勝手な流儀と思ってください。

「自主」「権利」と、「避難」という言葉が結びつかない

そういうふうに思うに至ったのは、やはり、「自主」という言葉には、「よいこと」「義務でなく自ら進んで」「おしつけではない」というイメージがあるからですね。自主勉強、自主的に応援、・・・この言葉と、「避難」というフレーズが、どうも、合わないように感じていました。

しかし・・・たぶん、区域外避難者の方は、「避難が義務だとよかった」「上から言われて避難できたらよかった」という方が多いのではないかと思うのです。(もちろん、避難指示が出た方がそれを知ったら、傷つくということを承知の上で、書いていますが・・)自分で選んだ「から」、つらい、ということもある。ということ。

だから、やはり「避難の権利」というのも、どうも、なんというか、合わないように思うのです。「権利」というのも、それを手に入れると、その人にとってよいことだ、すばらしいことだ、というふうな言葉に思えます。そこで、「避難は、ほんとうにすばらしいことであり、勝ち取るものなのか」と、思うのです。この言葉を聞いたら、やはり避難指示が出た方は、憤慨すると思うんです。・・・

そしてこの「避難の権利」こそ、「自主」避難と対になるというふうに、当事者以外の人間からは見えてしまうのも、偶然ではないでしょう。

だから、その事象を淡々と言えばいいのだと思っています。だから「(避難指示)区域外避難」が、単語としては妥当なのではないでしょうか。余計な誤解・私のような深読みを制すためにも。

・・・ということ、細かいことなのかもしれないですが、私は、「言葉は言霊」と思っていますので、長々書きました。


浜松への福島県からの避難43世帯にアンケート送付

そして、そういうふうに考えている人間として、先日、福島市から避難されたママさんにお会いしてきました。私は、「市内の避難者の方がどのような感じになっているのかなぁ?」ということが知りたくて、市内の福島県からの43世帯に、8月、アンケートを発送してみました。それでたった7通が返送されてきました。そのうち追加取材OKが4人、その方々にメール・速達・ファクスで再度取材を申し込みまして、電話が来たのがそのたったお一人です。私より一つ若い、人当たりのやわらかな、きれいな方でした。

アンケート結果は、回答者に返送した上で不具合がなければ当ブログにアップする予定ですので、もう少しお待ちください。

で、そのアンケート返送者で帰還希望はたった1世帯(お一人)、浪江の方です。あとは2世帯が移住検討、4世帯が定住です。



避難者の中で、たった一人、会ってくれた方

◆ご主人の単身赴任の予定をやめ、一家で福島市をあとに

お会いできたのは、だんなさんの転勤で浜松にいらして、お子さんの卒業に合わせていずれご実家のある関西に引っ越しを希望されています。

お子さんが福島をとても気に入っていたので、もしだんなさんが福島から転勤しても、単身赴任で残るおつもりだったそうです。それが、震災があって、秋にだんなさんの辞令が出たので、一緒に引っ越されたそうです。

◆当時小6のお姉ちゃんは福島から離れたくなくて

今は中学生となった娘さんは、福島の友達が大好きで、本当に離れがたかったのだそうです・・・・。もうそういう話を聞くと、悲しいばかりでした。

そして、福島市内の、もっと線量の低いところに移ろうとしたけれど、そうすると学校を転校しないとならなくなってしまい(福島市は高学年ならば学区外からも認められるが、4年以下には認められていないそうです)、一番上のお子さんはよくても、下の方がダメで、「こんな非常時なので、ダメでしょうか?」と粘り強く交渉されたそうですが、許可されなかったとのこと。「いわき市などでは、下の方の学年でも認められているというのに、。。もしあのときに、いいと言われたら、市内に引っ越しして、浜松には避難しなかったかもしれない」とまで話すのを聞くと、ああ・・・・とため息がでてしまうのでした。

◆だれも質問しない

福島における放射線については、いろいろな不透明なことがあり、やはり安心とは思えないということです。学校にも当初から、いろいろ聞きたいことがあったんだけれど、集会などで質問するのは自分ぐらいで、表だって手を挙げて発言するお母さんは、ほとんどいなかったそうです。でも、うちうちでは、不安材料の話はしていたのだそうです。
なんとなく、そういう雰囲気、わかります。目立ちたくない、出過ぎないように、というふうに思うという気持ちわかりますからね・・・

さらに、10月に福島テルサで菅谷・松本市長の講演を聞き、背中を押されたそうでした。

「すごく心配したけど、あのときあんな心配だけしてなんともなくてよかったね~と言いたいね、って友達とも話していました」とのことです。

◆検査への希望

そして、甲状腺検査も、「その場で結果を言ってほしいし、画像も、検査後2年たつと廃棄されてしまうと聞くと、次の検査と比べられないし・・・」と、ご不満がおありのようです。たしかにその場で言われないで、結果を待つ気持ちといったら、・・・・つらいものですよね。その場で言えるようになるのには、マンパワーなどで難しいのかもしれませんが・・・。

◆私との共通項が多かった

この方は転勤族なので、どこに行ってもなじむしかない、という「覚悟」のようなものをお持ちで、私も引っ越し族ですのでとってもその気持ちがわかります・ほんとに「住めば都」に、「自分の手でしていく」しかない。互いに、「頼れる身内など近くに居ない」「まず大変なのは医者探し」など共通項も多くて、いっぱいいろんなことを話せてよかったです。

私に電話をくれたのも、はがきで私が速達したからですが、「速達でね、郵便屋さんに手渡されたからすく電話しなきゃと思って電話したんです」ってことでしたが、こういふうに、人見知りをしない(というタイプに見えました)で、好奇心が旺盛で、変化も受けて立つ、溶け込もうという方なので、一面識もない私に、連絡をしてくださったのかもしれません。「心底、福島を好きな人なんだなあって思って・・・」とも言っていましたね・・・鋭いです。でも、この方も、福島は本当にいいところだった・・・って言っていましたよ。ほんとうに、「あんなことさえなければ」・・・です。

やはり、
そうでない場合、「一体何をこれ以上聞かれるんだろう」「されがまねほうがいい」という警戒感を持つ方がほとんどだったのだろうなと思います。

◆「一番伝えたいことは、福島は安心だよってこと?」

「一番伝えたいのは、放射線が不安だっていう人に、もう、福島に住んでも、安心だよ、ということ?」と聞かれて、少し前の私だったらもう、まさにそのカタマリであり、鬼であり、それしかなかったですが、「・・・今はどうかなと思う」と答えました。自分では全然安心と思っているのに、この方がいろいろおっしゃることについて「いやこれはこうこうこうだからこうこうこうだよ」というふうには、言わないというか、言えないというか、材料もなく、というか意欲が今はなくなっているのか・・・うまく答えられませんでした。

「でも、大丈夫って本当に思っている?」と聞かれて「うん。絶対大丈夫。揺らがないよ」「福島に住んでいるお姉さんも?」「うん」と言いました。「そうなんだ・・・」「ただ、うまくそれを理論的に誰かに説明できないんだ。今まで、不安の人に、わかってもらえたってこともなかったし・・・だから、もしかして、もっと早く会っていたら、私が安全だよーってがーって言って、物別れに終わったかもしれないよ、それに私のブログで文字だけで会話していたら、やっぱりダメだったかもしれない。会って話しているからっていうのは、全然違うもんね」

◆満たされた

また、私は、浜松に来て、福島市民だったという方と話したのは初めてであり、それだけで満足してしまったとも言えます。懐かしい地名、学校、幼稚園名、人の感じ、・・・「福島の人って・・・転勤してきたときは、みんな最初は、積極的に話してくるとかではないんだけれど、いったん仲良くなると、もうほんっとうによくしてくれるんだよね。もうそれが本当によかったの。なんていうか、穏やかで・・・。浜松とは違うなあ」(私は浜松も穏やかだと思っているんですが、この方とは少し離れたところなので、また地域性もあるのかねと話しました)

そうでしょうともそうでしょうともシャイだけれど情に厚い福島人ですものね・・・・

でも、彼女も、浜松に来て避難者の集まりなど積極的に顔を出しているようですが、福島市に住んでいたという方とは、私が初めてだそうです。だから、とてもうれしかったとあとでメールをくださいました。

いずれは、浜松も出て行かれると思いますが、いろいろな話をこれからもしよう、また会いましょうと話しました。


声なき声

昨日、そのセミナー最終回があり、8人ほどの「意識の高い面々」がそれぞれのテーマをパワーポイントだの駆使して発表しました。私も発表しました。時間が押してたので、私はささっと言っただけでした。

(まあ・・・私の苦手というか嫌悪するジェンダー研究のセミナーなので、・・・で、かつ、ジェンダーに全く絡めないのも、私だけでしたけどね。
だから・・・女が日中、身近な問題を提言する手法を学ぶセミナーなのだったら、性差や「女ならではの問題意識」にこじつける必要なんてどこにもナイと思うんだけどね。その発想自体が、私にとってはジェンダーバイアスだと思うのだけれどね。)

要点は2つ、①アンケート自体からは困窮しているとか困っているという声は上がってこなかったので、そのほかの多くの方がどう思われているのかは、わからない(「わからない」などと言い切った人は私だけでしたねえ・・・みんな「提言」でしたからねえ)
②浜松にいる方は、福島の避難区域や、子ども・被災者支援法の実態をよくしらないので、資料を付すので、参考に知ってもらいたい ということです。

講師には、「回収率が低いと、そのアンケートは信憑性が疑われることになりますね。逆に、回答しない中に、何か埋もれているし、調べられたくない方の中に、真実があるかもしれません。まあ、粘り強く進めていこうという意欲をお持ちのようですから、長い時間かけて、そういう「声なき声」をすくいとっていってください」とのことでした。

・・・・まあ、私が言ったとおりのことを言ってくれただけだけれど、「信憑性がナイ」という言い方には傷つきましたね。・・・・

そのあと、アンケート発送を協力してくれた市危機管理課にまとめをお持ちしたんですが、行く前までは、このアンケートまとめをあちこちにばらまくつもりでいたんですけれど、「ちょっとこのばらまき先は要検討にします」って尻つぼみになってしまいました。

アンケートは母数が少ないので、パーセンテージ等は、回収率以外出しておらず、あとは全部回答の書き出しです。だから、これは事実としては、事実として受けとめてもらえるとは思いますが、その「信憑性ガ」という指摘があまりに打撃で、ちょっっとこの先どうしようか考えます。

声なき声は、・・・・課題です。でも、少しでも具体的に、地に足のつけたことを一歩、歩めたことは、よかったと思おうと、プラスに解釈しました。




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