東京都府中市の崎山小児科の院内報からご紹介です。
東京時代の我が家の主治医です。
今は、府中市の教育委員長も務めておられます。
●母こそ名医なり(32)

<目に見えない放射性物質はどの程度怖いのか>

崎山小児科院内報第145号(東京都府中市・2011年4月号)


連日、福島第一原子力発電所関連の報道がマスコミをにぎわせています。
放射能は目に見えず、でも怖いという意識があるためか、
必要以上に心配している人がいるようです。

乗用車を運転するときに交通事故を心配してシートベルトをするというのは
理にかなっていますが、
鎧を着て運転する人はいませんし、青信号で一旦停止をする人もいません。
車の事故の概要がわかっていれば、どこに注意すべきかわかります。

身体をたたかれると痛みを感じます。
熱い鍋に触ると火傷をします。
放射能は目に見えず、身体に当たったときも何も感じません。
身体が切れることもなければ、火傷もしません。
ではどのような障害があるのでしょう。

相当強い放射能を浴びると、「確定的影響」を起こしますが、
今回原子力発電所の事故に関して言うならば、
これは原子炉から100メートルあるいは10メートルなどの
近距離にいる人だけに起こる出来事です。
例えば、熱い鍋があったとしても、
鍋から1メートル離れていれば絶対に火傷はしません。
また、熱い鍋に一度触っても、触る時間が短ければ火傷をしないことがあります。

放射能も同じで、短時間であれば、「確定的影響」は起きません。
そのかわり、使い捨てカイロのように触って火傷しない程度の熱さでも、
長時間被ばくすると障害を受けることがあります。
原子炉周辺で作業している人が、
被曝量の測定をしながら短時間で交代するのはそのためです。

このように、ある程度強い放射能に一定時間曝されることにより
白内障や不妊のような症状が確実に出るものが「確定的影響」ですが、
東京に住んでいて、水道水や食べ物から受ける放射能は低レベルなので、
確定的影響を起こすほどの被害は絶対にありません。
熱い鍋から100メートル以上離れているようなものですから、火傷するはずがありません。

野菜や水道水などの放射線が問題になるのは「確率的影響」と呼ばれるものです。
具体的な病名で言えば、白血病や甲状腺がんなどの悪性腫瘍と
奇形などの遺伝的障害です。
事故を起こした原子力発電所から風に乗って飛んできたヨウ素131や
セシウム137が出す放射線が、人の細胞の中のDNAという
細胞が生きるための設計図、手順書に相当する物質を破壊することが
発病の発端になります。

プロゴルファーが狙って打ってもホールインワンはめったにありませんが、
ヨウ素131から打ち出された放射線でたまたま運悪くDNAが破壊された細胞は、
正常な機能が失われるので、無制限に増殖するがん細胞になる可能性があります。
DNAを破壊された卵子や精子は、正常な発育ができないために
奇形を生じる可能性があります。

ヒトの健康を考えると、たとえ1万分の1の確率であっても、
悪性腫瘍と奇形は避けるべきです。
下手なゴルファーでも数を打てば、ホールインワンが出るかもしれません。
できるだけ放射能を浴びないようにしようということで、
水道水や野菜などの放射能について基準値が決まっています。

ただし、基準値の2倍の放射能を浴びたからといって、
がんや奇形の発病率が2倍になるわけではありません。
ゴルフボールを100回打って1度もホールインワンのない人が、
200回打ってもやはりカップに入ることはないでしょう。
「ただちに健康被害が出る恐れはない」などの報道がされるのはそのためです。
基準値を越えた野菜を食べたところで
すぐにがんになる、あるいは奇形の子供が生まれるわけではないですし、
その確率ももともとがんになる、奇形が生まれる確率とほぼ変わらないはずです。

ただし、確率論の難しいところは、心情的に納得できない場合です。
「絶対に危険はないのですか?」と聞かれれば、
「絶対にない」は誰にも言えません。

素人のゴルファーが1回目に打った球がホールインワンになることも
「絶対にない」とは言えません。
普通はそんなことはないでしょうという説明で納得できるかどうかということです。

結論として、まず「基準値以下=誰にでも安全」は認めるべきです。

また、放射線による「確率的影響」のうち
遺伝性障害については、すでに子供を産まない年齢になった人は
遺伝については無関係ですから、摂取しても影響ありません。

もう一つの「確率的影響」である悪性腫瘍の発症についても、
基準値以上の食材を数回食べる程度なら
影響は無視をできるでしょう。
少なくとも、大人が、現状の水道水を恐れることはありません。

被災地の方々が必要なペットボトル入りの飲料水を買いあさることは
止めましょう。
子供たちには安全な食材が用意されるべきですが、
すべての食材、水道水は、自然界に存在する微量の放射能を
もともと持っています。

市場に出回っている食材、水道水(この文章を書いている時点の
放射能はすでに基準値以下になっています)、
東京の空気は、放射能レベルとしては
日常生活上問題ないと理解してよいでしょう。

(引用ここまで)


東北大の脳トレで有名な川嶋隆太先生の意見が
こちらに載っています。
http://blogs.yahoo.co.jp/yantya39/62306801.html

お二方の意見を総合すると、
1)確率的影響は、「絶対影響なし」とは、科学者として断言はできないが、限りなく低いということ。
2)日本の安全基準を信じてよしということ。
3)40歳以上は気にしても意味がないこと。
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