元内閣官房参与田坂広志氏の主張、大事そうなとこだけ抜粋

◆福島第一原発事故の後は、こうした論理が全く通用しなくなりました。事故の影響が、極めて広域に及ぶことが、深刻な現実を通じて明らかになったからです。

その結果、これからは、立地自治体が原発再稼働を受け入れた場合、立地自治体ではない周辺自治体の首長や住民の方々から、「あなた方は、経済的なメリットがあるから再稼働を受け入れることができるかもしれないが、我々は、そうした直接的経済メリットもなく、ただ、不安とリスクを負わされるのだ」という批判を受ける状況になってしまったのです。

◆発想を根本から変える必要があります。「利益誘導」だけに頼った従来の古い考えを捨てなければなりません。

 すなわち、原発の再稼働については、「地域へ利益を供与することによって、地元の合意を得る」という方法だけでなく、「社会全体へのメリットを提示することによって、国民の納得を得る」という方法へと発想を切り替えなければならないのです。

◆国民もまた、発想を変えなければなりません。「リスクの大きな原発は嫌だ。しかし、電力は潤沢に使いたい」という発想ではならないということですね。

 もし「原発を減らしたい」「原発を無くしたい」と希望するのであれば、同時に、国民がどの程度「節電」や「省エネルギー」に協力できるかも問われるのです。

 そして、リスクがあるのは原子力エネルギーだけではありません。石油や天然ガスなどの化石エネルギーにも、国際紛争などによる価格の高騰などの「地政学的リスク」があり、自然エネルギーにも、開発途上の技術であることによる「不確実性リスク」があります。

◆「地元にお金が落ちるのだから、社会全体のリスクには目をつむろう」という発想や、逆に、「原発の恩恵には浴してきたが、その結果発生する放射性廃棄物を自分たちの地域に受け入れるのは嫌だ」といった発想は、新著『官邸から見た原発事故の真実』で述べたように「NIMBY心理(Not in My Backyard:我が家の裏庭には捨てないでくれ)」という「地域エゴ」と呼ぶべき社会心理。

◆ 高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題は、「世代間倫理」の問題だからです。

 すなわち、これは、「現在の世代のエネルギー需要を満たすために、未来の世代に重い負担を押し付けてもよいのか」という倫理が問われる問題だからです。
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