福島で人工中絶がふえているとの噂の動画について、こすもすさんが質問されているのから、先生がご意見を何回かに分けて述べておられました。




松本市長、菅谷氏の極端な発言については、以前より私共も頭を悩めておりました。

この動画については、私も初めて見ましたので、貴重な情報提供ありがとうございます。

以前にもどこかで書きましたが、今、福島県内、ほぼ全施設から自然流産率などのデータを福島県立医大産婦人科に報告しておりまして、妊娠人工中絶率は震災前、震災後増えていないというデータがでておりますし、発表もしておりますが、それらの我々の真のデータの発表は、新聞であれば片隅に掲載されるだけなんです。

ただし、この講演で聞き捨てならないのは、水面下での人工妊娠中絶が増えているという発言です。

私の施設は高度生殖医療認定施設でもあり、元々、人工妊娠中絶は非常に少ないのですが(母体の合併症や経済的理由などがほとんどですが)、他施設に聞いてみても人工妊娠中絶が増えたなど一切、聞かれません。福島は県自体は広いのですが、産婦人科医が少なく、どの施設に誰がいるか、どういうことをやっているかなど大体、把握できております。

ましてや水面下で人工中絶をやった」→母体保護法違反→医師免許剥奪です。それも人工中絶は指定医師にしかできないシステムで、毎月、県産婦人科医会に報告する義務があります(もちろん、個人名は伏せてありますが)。

数年前、どこかの大学医師が不倫相手を妊娠させて、子宮収縮剤を使用し、堕胎させ逮捕、医師免許剥奪された事件がありましたが、まず、病院の薬を勝手に持ち出した、指定医師でもないのにそのような行為を行った、当然、医師法違反、母体保護法違反で医師免許は剥奪です。ただし、我々、専門家から「するとその医師が使った子宮収縮剤内服だけでは、堕胎させるのは無理です。おぞらく妊娠そのものが順調な経過ではなかったためと推測しておりますが。

また、この場を借りて皆さまにお伝えしたいことがあります。
人工妊娠中絶は非常に危険な手術です。子宮穿孔(子宮を突き破ってしまう→場合によってが子宮全摘出術をやらざるを得ない、腸管損傷、我々がどんなに丁寧な処置を行ってもこの手術を受けたことで不妊症になる→約10%)などの副障害が少なからずあります。この手術をマスターするためには、しっかりとした指導医のもとで、技術を磨かなければできません。

もちろん菅谷市長は産婦人科専門医および指定医師でもありませんので、このようなことを知らないがための発言ともとれますが、市長たるもの医師法、母体保護法の基本的知識がないことは明らかですね。

一応、この動画は私が属している日本産婦人科医会、その他、実名でのお産に関するメーリングリストに流しておきました。

福島医大産婦婦人科教授にも連絡しましたが、鼻で笑っていましたが・・・。その程度のことです。

場合によっては、何らかのアクションを起こすこともあり得ます。

こすもすさん、本当に情報ありがとうございました。

(日本小児科医会4月号について)菅谷市長の書いた内容には、多くの医学的要素が含まれていますが、誰の論文、著書を引用したのか、一部には推測だがと書かれています。
これでは、大衆雑誌となんら変わりありません。

我々が正式な論文を読む際には、確かな引用論文、著書から抜粋しているのか、またそれを間違いない内容で引用しているのかも、優れた論文なのか、読むに値しない論文なのか重要な判定材料になります。

残念ながら菅谷氏の書いた投稿論文は、上記の理由だけからでも、医学的論文として全く価値はないと判断せざるを得ませんね(笑)。




日本小児科医会会報誌に投稿した、菅谷氏の医学的内容については突っ込みどころ満載です。

例えば「チェルノブイリ事故後、何故成人に比し、小児の甲状腺がんが異常に増加したのか?」。そんなことは簡単に説明できます。当時のソビエト連邦は事故を隠蔽し、牛乳などの出荷制限をほとんど行わなかったことが主な原因です。

そして外部被曝に関しては、大量の急性被爆(核爆発)と今、福島で計測されているわずかな低線量の被爆量をごちゃ混ぜに考えていること。細胞の修復メカニズムを理解していないこと

 またセシウムの体内被ばくに関しては、セシウムはカリウムと同じ動きをすると言われていますが、体内分布が同じだけで、少し専門的になりますが、Na-k チャネル(細胞内外のNa-Kの能動的交換→チャネル(トンネルと同じ意味と捉えて下さい)→これにはNa+/K+-ATPアーゼと酵素が必要であり、細胞内にセシウムは入り込めない→そしてもっとも重要なことはNaやkは尿細管という場所で再吸収が行われますが、セシウムは再吸収は行われず、例え取り込んだとしても、体外にどんどん排出されること。

 さらにセシウムは筋肉に蓄積しやすい、確かにその通りなのですが(心臓も筋肉です→非常に稀ですが心臓の悪性腫瘍もあります)、どんどん排出されること、また発生学的に筋肉に癌は発生しにくいこと(筋肉の悪性腫瘍は正確には肉腫といいますが)。一般的に筋肉など一度、怪我などで損傷をうけると自然修復が難しい臓器には悪性腫瘍は発生しにくいこと。ですからチェルノブイリ周辺の住民の方達が、長年、セシウムを多量に含んだキノコ類を長年食べていても、健康被害の報告が未だ報告されていません。

 また原子炉内で作られるストロンチウムは、非常に重い粒子であるため遠くに飛散しない、そしてストロンチウム専用の機器で測定しないと正確な値がでないこと。しかし、万が一、取り込んだとしてもアルギン酸ナトリウムと非常に結合しやすく、体内排出させることは簡単であること。アルギン酸ナトリウムはワカメ、昆布やひじきなどのネバネバ成分です。当然、福島原発周辺の海草類には含まれている可能性があるため食しては駄目(といってもその周辺は漁業の再開はできておりませんので、市場には出回りませんが)です。バランスのよい日本食を食べておれば体内被曝は避けられることは知っておいて下さい

 菅谷氏は長年、臨床現場、最近の医療科学から遠ざかっていたために知らなかったのかもしれませんが、敢えて彼を擁護するならば、最後に彼が言った「これから相互に支えあいながら、特に子どもや妊産婦の命を守ることを大人の責任として努め、併せて新たな日本のとるべき進路を模索しつつ、生きていかなければならない」という言葉には共感します。 

しかしそこまでの科学的(医学的)論理展開の誤り、動画での「福島では水面下で人工中絶が増えている」という発言は、我々、福島で賢明にやっている産婦人科医を冒涜した発言であり、できれば公的場所で謝罪してもらいたいものです。




たびたび菅谷氏のことを蒸し返すようで申し訳ありませんが、彼が「水面下で」と使った言葉に大きな誤り(誤算)あるのです。

もし「福島では水面下での妊娠人工中絶が増えている」というのであれば、福島の産婦人科医の誰がやっているのか知っていての発言になります。届け出していなければ明らかに「母体保護法違反」になり、厳しく処罰されなければなりませんね。そしてその事に関しては、彼には「守秘義務」はありません。むしろ積極的に訴えなければならない立場です


もし福島でそのようなことをやっている医師がいれば、我々は全くかばうつもり一切ありませんし、むしろ排除しなければ、福島県民の信頼は得られません。

そして、菅谷氏の告発で疑わしい医師がいたとなれば、保健所(場合によっては警察)の監査で簡単につきとめられます。人工妊娠中絶を行う場合にはどうしても麻酔薬を使います。使う麻酔薬はほぼ決まっていて、使用した麻酔薬と納入した業者の麻酔薬量が一致しなければおかしいわけです業者側も一蓮托生にはなりたくありませんので、どの麻酔薬をどこの病院、医院にいつ、どれだけ納めたのか調査依頼があればきちんと報告するでしょう。数十年前はこの手を使って、脱税していないかどうか、国税局の調査が入りました。

しかし今はもっと厳しくなり、ある種の麻酔薬や中期中絶に使用する薬は、「麻薬」扱いになり、どの人にどの位使い、廃棄した量は何ccだったのかまで書類に残さなければなりませんし、また、中期中絶に使う薬は、いつ購入したのか、そして誰にどういう理由でどの位使ったのか、一定の書式に明記し、年度末に報告する義務があります。調べればすぐにわかってしまうことなのです

人工妊娠中絶は前にも書きましたが、簡単な手術ではなく、医師一人ではできません。何人かのスタッフでやります。今の外科的医療はスタッフとの信頼関係が大切で、もし私が法を犯した医療をやれば、スタッフから信頼が得られなくなり、場合によっては内部告発されてしまいます。スタッフとの信頼関係を築く第一歩は、正当な医療行為をやっていることをみせることが一番重要なことなのです。

菅谷氏が使った「水面下」という言葉は、私からすればよくぞ使ってくれた、デマであることの突破口になるのです。この問題に関しては彼に「守秘義務」は通用せず、もし彼が知っていてそれを言わなければ「犯人隠匿罪?」→ちょっと法律用語が判りませんので、間違っていたならばどなたか訂正して下さい。

そしてもし私であるということであれば、法的違反はしていないと証明できますし、逆に彼を「名誉毀損」で訴えることも可能になるわけです。

この問題は法律が絡んできますので、「水面下」という言葉は通用しないのです。




多分、菅谷氏は最近の「母体保護法」のことをよく理解していないための発言だと思います。

菅谷氏が臨床の現場を離れ、おそらく10年以上は経っていると思いますが、その間「母体保護法」は大きく変わりました。10~20年前の当時の「優生保護法」下であれば、「水面下」でやろうと思えばできたかと思います。しかし現在の「母体保護法」では、ある種類の麻酔薬を使うためには「麻薬施用者免許証」も必要です。もちろん私は「指定医師」であり、「麻薬施用者免許証」も持っております。誤魔化しができませんし、前のコメントにも書きましたが、法を犯す医療行為をやればスタッフの信頼関係も失ってしまいます。現在の「母体保護法」では、妊娠21週6日までは、法的に可能ですが(ただし、胎児側の異常での理由は認められておりません)、妊娠22週0日以降ではどんな理由があろうと、絶対、やってはならないのです。

特に妊娠中期の人工中絶は、どの産婦人科医もやりたがりません。母体の健康上の理由、経済的理由がほとんどですが、法的に許された殺人です。赤ちゃんができるだけ苦しまないように、そして傷つけないように丁寧に施術します。私は必ず出した赤ちゃんに合掌し、「もし来世というものがあれば、今度は私の子どもとして生まれてきなさい。立派に育てるから」と心の中で言います。産婦人科の手術のなかでできるならばやりたくない手術です。でも、指定医であれば、誰かがやらなければならないのです。

話が逸れてしまいましたが、医師でもある菅谷氏の場合、「それを知らなかった」では済まされないのです。

菅谷氏にメールで、「水面下」と言った根拠は何か、またそのデータはどこのものかを教えて欲しいという旨の要望を出しました。公的立場の者には、守秘義務というものはなく、自分が発言に対する説明責任が最優先(国家の機密以外)されます。もちろん我々、医師には医師法にも明記されていますが「守秘義務」があります。

しかし福島の一開業医に過ぎない私の問い合わせには返事はないでしょう。また、北アルプスで8人の方がなくなる惨事が起き、長野県警救難ヘリも出動したようなので、そちらの対応に追われているのではないでしょうか。

返事はなくてもいいのです。秘書課というところにメールしましたが、福島の産婦人科医、小児科医が今、必死に頑張っているんだということに気づいてもらい、今後の発言に注意してもらえばいいだけなのです。

ただし、福島の産婦人科医、小児科医を愚弄するような返事がきた場合は、徹底的にやりますよ!!。




まだ詳細は申し上げられませんが、私が所属する団体が動き出しております。


上手く見られない方はコピペしてお読み下さい。

例えば我々、産婦人科医はお産をやる場合、帝王切開しなければ赤ちゃんが助からない可能が高い、しかし帝王切開は経膣分娩では起きえない、母体にそれなりのリスク(麻酔によるショック、術中の大出血、術後血栓症など)がある。そうするとどちらのリスクが高いかどうかで判断せざるを得ない訳です。つまりリスクの低い方を選択する→天秤にかけるわけです。

それでどちらにも一番(母体、赤ちゃん)、ベストな医療行為を選択するわけです。

例えば今、福島の放射能レベルが1μSv/hだとします。実際はもっと低いですが、そうすると8.7mSv/年になりますが、受精して生まれるまで期間約270~280日間としてを計算すると子宮の中にいる間6.3mSの被爆量になります。それに臓器等価線量(実行線量でもいいですが)などを考慮すれば、もっと低い値になるはずで、上に紹介した数値までには絶対なりませんね。このような場合相対的リスク(危険性)はかなり低いと言います。

このような正しい放射能の知識を粘り強く皆様にお伝えしていくしかないと思っています。





以上です。ほんとうに福島にこのような医師の方がおられることがありがたく、ただただ、手を合わせるばかりです。

私に電話してきたぐらいですから、菅谷市長は何らかのお返事をされるのではないでしょうか。ぜひ間違いを認めていただきたいものです。





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