勝川先生が、こうツイートしていた。
「現場でしか得られない情報は多い。

一方で、現場に出れば出るほど、馬鹿になるたぐいの人間 もいることには注意が必要だ。

現場馬鹿は、はじめに結論ありきの人で、自分の結論を支持する材料を探しに現場に行く。自分の結論と反する情報は、無いことにする。「俺は現場を知っているから間違えるはずがない」と、都合が良い断片情報で補強した自説を振り回す。

誰しも自分の関心に目が行くのは当然のこと。現場馬鹿の落とし穴に落ちる危険性は誰にだってある。だからこそ、意識的に、自説と反する情報に対して、注意を払わないといけない





夫が読んでいた本 綱島邦夫「エグゼクティブの悪いくせ」になんだか似たようなことが書いてあったので、要点抜粋。メモ。
(これ新著作権法でひっかかるかもしんない・・)

日本企業のエグゼクティブの多くは、「現場主義」という言葉を好む。しかし、ただ単に現場を経験することを金科玉条にする軽薄な現場主義が蔓延している。現場に張り付くことに意義を見出す、・・例えば、製造部門であれば現場を巡回し、作業員に会い、夜は飲み会。営業部門であれば、お客様に接する回数を増やすこと。

ある営業担当者は、スカンジナビア航空の社長をしていたヤン・カールソン氏の「真実の瞬間」を引き合いに出し、営業のすべては現場にある、現場でお客様に接し、お客様に喜ばれ、そしてこちらも嬉しい気分になる、その積み重ねが優秀な営業担当者を育てるんだと熱く語ってくれた。

が、私は、この本にはもっと別なことが書かれているとは思った。彼は、何度も現場という言葉を使っていた。しかし、現場、現場と聞かされ続けるうちに、少しずつ空虚な気持ちになっていった。

そして、伝説の「秋葉の自転車乗り支店長」のことを思い出した。

現場主義とは、経営上の判断を行うためのヒントとなる情報を現場から探すことを主義とする、ということだ。

秋葉原は、メーカーの系列に加わろうとしない、一匹オオカミの販売店が跋扈する街。秋葉原の販売店主たちは、訪問しても、自分に利益がなければ会ってもくれないそうだ。

彼は一風変わった支店長だった。彼の机の上には何も書類が置かれていない。書類があると、部下と自分を遮ってしまい、部下が話をしにくいのではと心配する。じぶんの役目は部下の話を聞くこととわきまえている。あまり外には出ない。むしろできる限り支店にいるようにする。

その彼には、もうひとつの評判がある。なかなか外には出ないが、顧客から何かのクレームがあると、脱兎のごとく飛び出していく。そして、人ごみの中を器用に自転車をこぎ、いち早く顧客のところに飛び込んでいく。彼は顧客クレームにこだわる。1つのクレームは氷山の一角だと考える。クレームを訴える顧客は、ほかにもたくさんの不平、不満を抱えていることが多い、と言う。顧客から電話が入ったら、その日のうちに顔を合わせ、旬なうちに言いたいことはすべて吐き出させる必要があると考えている。

顧客クレームを聞くことが課題を見つける「真実の瞬間」になる。課題がなければ、人も企業も成長しない、と彼は言う。彼にとっての現場主義は、現場で課題を見つけること。そして、クレームを受ける場は課題の宝庫だと言う。

私は、みんなが言う現場主義、現場にいれば何かが生まれる、はおかしいと思うようになった、現場主義は大事だが、その前に「考える意思」があって現場主義は役に立つ。

大野耐一「トヨタ生産方式」から・・・
「私は徹底した現場主義だ。若い時から生産現場でもにみもまれて育ってきたことにもよるが、経営者になってからも、製造業の主たる情報源をなす生産現場から離れることができない。いや、むしろ、トップ・マネジメントの一員である現在の方が、生産現場へより密着しているかもしれない。

副社長室で沈思黙考しているときよりも、大部屋の生産管理部の一隅に席を占めていた方が、生きた経営情報が直接入ってくることもあるし、またよい刺激にも恵まれる。いつでも生産現場に入っていける条件も、そこにいたほうが満たされる。現場主義が私の性に合うというのだろうか。これも長年の経験によるものである。」

現場の情報を集めることは手段であり、目的ではない。現場主義とはものを考え、創造しようとする人間にとって意味ある情報、ヒントを与えてくれる作法であり、それ以上でもそれ以下でもない。

現場の経験=現場主義、工場に行く回数、顧客に会う回数、という錯覚に陥っているエグゼクティブが多いという印象だ。






現場主義のことを書いたのは、自分が現場にいない後ろめたさについて考えるためだったのだが

意図せず副産物も。・・・ブログも一緒ということ。

ブログを書くことは目的ではない。ものを考え創造するために意味ある情報を与えてくれる作法にすぎない、それ以上でもそれ以下でもない。

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