福島第一原発事故の際に内閣官房参与・田坂広志氏の
安倍新政権に立ちはだかる「核廃棄物」の壁


★政策1 「核廃棄物の最終処分」の問題と、その前段の「使用済み燃料の長期貯蔵」の問題に、直ちに着手すべき
「核廃棄物」(Nuclear Waste)とは
1)「使用済み核燃料」(Spent Nuclear Fuel)
2)「高レベル放射性廃棄物」(High-Level Radioactive Waste)

※「使用済み核燃料」を再処理して、ウランとプルトニウムを取り出すと、後に残るのが、極めて危険性の高い「高レベル放射性廃棄物」

全国の原発サイトの「使用済み核燃料貯蔵プール」は、もし原発を順調に再稼働できても、平均6年で満杯になる状況にあり、青森県六ヶ所村の再処理工場の核燃料貯蔵プールも、すでに満杯近い。

使用済み核燃料・従来の我が国の計画
①六ヶ所村の「再処理工場」で再処理
    →相次ぐトラブルでまだ操業目途立たず
②その結果発生する高レベル放射性廃棄物のガラス固化体は、30年から50年の中間貯蔵
③地下300メートル以深の安定な岩盤中に埋設する「地層処分」
    →過去20年間、処分場の建設候補地探してもまだ見つからず


    →昨年9月、日本学術会議が内閣府原子力委員会に対して、
    「地層処分の10万年の安全は、現在の科学では証明できないため、
     我が国において、地層処分は実施すべきではない」と明確に提言(※前記事、北欧とは違うわけだ)

★政策2 実現の見込みのない「地層処分」の政策を凍結し、直ちに、「長期貯蔵(=暫定保管)」の政策に切り替えるべき

すなわち、
(1)地層処分の10万年の安全性が証明できるようになるか、
(2)地層処分以外の最終処分方法が開発されるまで、数十年から数百年の長期間、使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物を貯蔵するという政策をとるべき

数十年から数百年間の「安全な長期貯蔵」は、現在の原発サイトでの
「水冷プール貯蔵方式」を「乾式キャスク貯蔵方式」に
切り替えるならば、十分に技術的に可能


★政策3 「捨て場の無いゴミ」を無制限に発生させるのではなく、その「発生総量の上限」を定めるべき

「発生総量の上限」をどこに定めるかによって、原発の「稼働年限」が必然的に決まってくる。(さきの選挙で、いつまでにとめる等の議論は無意味だった。どうせゴミがあふれて必然的にゼロにならざるを得ないのだから)

ただ、「長期貯蔵施設」を、どこに設置するか。それが、これから大問題

青森はあくまでも一時的。

では、福島は。

放射能汚染によって住民が長期にわたり立ち入りできない福島第一原発のサイトの周辺地域を、この「長期貯蔵」の候補地として*という考えを述べる方は、政治家や財界の方々にもいるが、それを論じることは、極めて慎重でなければならないだろう。

すでに政府は、福島県に対して「福島県を放射性廃棄物の最終処分場にしない」という約束をしている。これは、福島県民の方々の心境を考えるならば、ある意味で当然のことかと思うが、現在の福島の状況においては、それがたとえ「最終処分」ではなく「長期貯蔵」であるとしても、数百年のオーダーでその地域に核廃棄物を置き続けるということについて、福島県民の方々の理解を得ることは、決して容易ではないだろう。
つまりは「Not in My Backyard」(私の裏庭には捨てるな NIMBY)という社会心理的問題

だから政府のすることは法整備。
★政策4 すべての都道府県が、過去に恩恵に浴した原発電力量に相当する使用済み核燃料の長期貯蔵を引き受ける」という法律を検討すべき

すべての国民が、この問題を「自分たち一人ひとりの問題」として真剣に考える状況を生み出すことが、政府の役割。この法律には、上記の条項に加えて「各都道府県が協議・協力して集中貯蔵施設を建設することを、政府は全面的に支援する」という条項を入れるべき。

この問題を「法律的枠組み」の問題として国民に提起し、メディアも含めた国民的討議を促すことに、極めて重要な意義。

「原子力村が、密室で進めてきた」という批判がある一方で、国民の側にも、「政府と電力会社に任せておけば、原発の問題も、うまくやってくれる」という無意識の依存心理があったのも事実。(※ゲンパツハンタイを叫べば代案など要らない。それは国の仕事だ。という人に聞いてもらいたい

「依存型民主主義」の意識を脱し、国民一人ひとりが、この問題を「自らの問題」として受け止め、議論し、政策決定に参画していく「参加型民主主義」の意識をもつべき。「自分以外のどこかの県が、長期貯蔵施設を受け入れてくれるだろう」という心理こそが、原発問題や核廃棄物問題の解決を妨げてしまう。

たとえ数百年の「長期貯蔵」を実現したとしても、いずれ、「核廃棄物の最終処分」の問題は、解決しなければならない。それが第5の政策(次号に続く)。




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